
車の維持費のなかでもガソリン代の負担は大きく、車選びにおいて「燃費」は非常に重要な決め手となっています。
特にSUVは人気の車種ながら、一般的に燃費面では不利と言われがちです。
そんな中、トヨタの「ヤリスクロス」は、SUVとしての魅力を備えながら、優れた燃費性能で注目を集めています。
この記事では、ヤリスクロスのハイブリッド車とガソリン車の燃費比較、グレード・駆動方式別の燃費の違いなど、購入を検討中の方が知りたい情報を詳しく解説します。
ヤリスクロスの基本情報と燃費性能の概要
トヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」は、2020年8月に登場して以来、その実用性とスタイリッシュなデザインで多くのドライバーから支持を集めています。
特に注目されているのが、クラストップレベルの燃費性能です。
ハイブリッド世界トップレベル※の優れた低燃費性能を実現しており、ガソリン価格が高騰する現代において、経済的な負担を減らしたい方におすすめの車となっています。
※2025年2月現在。ガソリン乗用車コンパクトクラス。トヨタ自動車(株)調べ。
トヨタの燃費のいい車についても、こちらで紹介しています。
トヨタで選ぶ!燃費のいいおすすめ車種とその理由
ヤリスクロスには「ハイブリッド車」と「ガソリン車」の2種類があり、それぞれに「2WD(2輪駆動)」と「E-Four/4WD(4輪駆動)」の選択肢があります。
この記事では、ヤリスクロスの燃費に関する情報を詳しく解説します。
ヤリスクロスの燃費を詳しく解説
まずは、ヤリスクロスの公式カタログに記載されている燃費性能を見ていきましょう。
燃費はWLTCモードで測定されており、市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成しています。
ハイブリッド車とガソリン車の燃費比較
ヤリスクロスの燃費性能を駆動システム別に比較すると、次のようになります。
モデル | 2WD | E-Four/4WD |
ハイブリッド車 | 25.0~30.8km/L | 26.0~28.7km/L |
ガソリン車 | 17.6~19.8km/L | 17.1~18.4km/L |
■国土交通省審査値。■燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用状況(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。
この表からわかるように、ハイブリッド車はガソリン車と比較して約10km/L以上も燃費が優れています。
特にハイブリッドモデルの最高燃費は30.8km/L(Xグレード・2WD)に達し、同クラスのSUVとしては圧倒的な低燃費を実現しています。
ハイブリッド車は、燃費の良さに加えて税金面での優遇措置もあり、長期的に見るとガソリン車よりも経済的です。
ただし、車両価格はガソリン車より高めに設定されているため、年間走行距離や使用期間などを考慮した上で選ぶことが重要です。
2WDと4WD/E-Fourの燃費の違い
駆動方式による燃費の違いも見ていきましょう。
一般的に、2輪駆動(2WD)は4輪駆動(4WD/E-Four)よりも燃費が良いとされています。
ヤリスクロスも同様の傾向があります。
ハイブリッド車(Xグレード)の場合、2WDモデルの最高燃費である30.8km/Lに対して、E-Fourモデルは28.7km/Lとなっています。
約2km/Lの差があり、年間走行距離が多い方にとっては無視できない差となるでしょう。
ガソリン車(Xグレード)の場合も、2WDモデルの最高燃費は19.8km/Lに対して、4WDモデルは18.4km/Lと差があります。
ただし、雪国などの地域では4輪駆動の安全性や走破性を優先する価値も大きいため、使用環境に合わせた選択が大切です。
グレード別の燃費比較
ヤリスクロスには「GR SPORT」「Z "Adventure"」「Z」「G」「X」「U(KINTO専用)」というグレードがあり、グレードによっても燃費性能が異なります。
【燃料消費率(WLTCモード)】
グレード | ハイブリッド2WD | ハイブリッドE-Four | ガソリン2WD | ガソリン4WD |
GR SPORT | 25.0km/L | - | 17.6km/L | - |
Z "Adventure" / Z | 27.8km/L | 26.0km/L | 18.3km/L | 17.1km/L |
G | 30.2km/L | 28.1km/L | 19.4km/L | 18.1km/L |
X | 30.8km/L | 28.7km/L | 19.8km/L | 18.4km/L |
U (KINTO専用) | 30.2km/L※1 | 28.1km/L※2 | - | - |
※1. 215/50R18タイヤ&18インチアルミホイールを装着した場合、燃料消費率(WLTCモード)は27.8km/Lとなります。
※2. 215/50R18タイヤ&18インチアルミホイールを装着した場合、燃料消費率(WLTCモード)は26.0km/Lとなります。
■国土交通省審査値。■燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用状況(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。■WLTCモードは、市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モードです。
燃費性能だけを見ると、「X」グレードのハイブリッド2WDモデルが最も優れていることがわかります。
装備や走行性能を重視する「GR SPORT」は、燃費よりもスポーティーな走りを追求したモデルのため、他のグレードと比べて燃費性能はやや低めとなっています。
ヤリスクロスの燃費が良い理由
ヤリスクロスがSUVでありながら優れた燃費性能を実現できているのは、最新の技術と設計思想によるものです。
その主な理由を見ていきましょう。
最新のハイブリッドシステム
ヤリスクロスのハイブリッドモデルに搭載されている1.5Lハイブリッドシステムは、ハイブリッド世界トップレベル※の低燃費を実現しています。
※2025年2月現在。ガソリン乗用車コンパクトクラス。トヨタ自動車(株)調べ。
小型・軽量化を徹底的に追求したハイブリッドシステムは、エンジンとモーターを最適に制御することで、優れた燃費性能と走行性能を両立させています。
ヤリスクロスは、ヤリスシリーズの「軽快な走り」「先進の安全・安心技術」「低燃費」を受け継ぎながら、SUVとしての魅力も兼ね備えています。
直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンと最新のハイブリッドシステムの組み合わせにより、力強くシームレスな走りと優れた燃費性能を実現しています。
エンジンとボディの工夫
ガソリンモデルにも、高出力化と燃費の向上を両立した1.5Lダイナミックフォースエンジンが搭載されています。
ロングストローク化やバルブ挟角の拡大などの高速燃焼技術を採用し、燃費性能を犠牲にすることなく、高出力を発揮します。
また、ボディ設計にも工夫が凝らされています。
TNGAプラットフォームを採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディを追求しています。
これにより軽快なハンドリングと上質な乗り心地を両立しながら、燃費性能も向上させています。
さらに、外装パーツでは空力性能をアップさせる形状のリヤスポイラーやスタビライジングフィンを採用し、空気抵抗を減らすことでクラストップレベル※の燃費性能を実現しています。
※2022年7月現在。ガソリン乗用車コンパクトクラス。トヨタ自動車(株)調べ。
ヤリスクロスの燃費をさらに向上させるテクニック
ここでは、燃費を向上させるためのテクニックをいくつかご紹介します。
エコドライブを心がける
アクセル操作を穏やかにし、急発進・急加速・急ブレーキを避けましょう。
加速時は緩やかに、停止時は早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを活用することで燃費が向上します。
適正な空気圧を維持する
タイヤの空気圧は定期的にチェックし、適正値を維持しましょう。
空気圧不足は転がり抵抗を増加させ、燃費を悪化させます。
不要な荷物を降ろす
車内や荷室に不要な荷物を積んだままにすると、車両重量が増加して燃費が悪化します。
定期的に車内を整理しましょう。
エアコンの使用を控えめに
エアコンは必要な時だけ使用し、設定温度も極端にしないようにしましょう。
特に夏場の強冷房は燃費に大きく影響します。
定期的なメンテナンス
エンジンオイルやエアフィルターの交換など、定期的なメンテナンスを行うことで、エンジンを最適な状態に保ち、燃費性能を維持できます。
まとめ
ヤリスクロスは、SUVでありながらコンパクトカー並みの優れた燃費性能をもちます。
それだけでなく、走行性能や安全性能、室内の広さなど、総合的なバランスに優れたコンパクトSUVです。
維持費を抑えながらSUVライフを楽しみたい方におすすめの一台と言えるでしょう。